「幸せになる勇気」を読了。
読んでみての感想だけど、前作の「嫌われる勇気」に続き、青年と哲人の対話形式で、難しい言葉もほとんどないため読みやすかった。
さっと読めて重要なところは頭に残る。
前回の「嫌われる勇気」の主人公が、アドラーの思想に感化されたことで、大学図書館を辞めて、母校で中学校の教師を始めた。そこで、アドラー思想に基づく教育を実践し、「褒めてはいけない、叱ってもいけない。」という教育をしたら、学級崩壊になってしまったというところから始まる。
「アドラーの思想は理想論であって、現場で生きないじゃないか?!」
「いやいや、あなたはアドラーを誤解している。」
ここから始まる哲人との対話。
そこから、幸せになる生き方へ導かれていく。
まあ、あまり書いてしまうと内容がネタバレだから避けますが。
主人公が教師という対人援助職ということもあって、福祉職でも生きる関わりがたくさん書いてあった。
特に感じたのは、「罰」があれば「罪」はなくなるのか?というところ。
何か悪さをしたら、罰を与えてその行動の抑止力としようとしてしまう。
でもそれで、問題行動はなくなっているのか?
なくなっていないことが多いのではないか?
叱っても、なくらないなら意味がないのではないか?
ではどうするか?
「目的」に注目して、彼らとともに「これからどうするか?」を考えること。
なぜそのような行動をしてしまい、それでどうしていかなくちゃいけないか?
それを考えてカウンセリング(再教育)していくということ。
それと、先に「信じる」ということ。
これは、バイスティックの7原則の受容に当たる。
クライエントの考えは、そのクライエントの人生経験や必死の思考から来るものであり、クライエント自身の個性であるため「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」という考え方。
福祉的にはよく学び推奨される考え方だが、アドラーはその先を行く。
相手が嘘をついたり、どんな思惑があろうと、その人ごとを信じるという能動的な働きかけという。
人と人は永遠に分かり合えない。
だからこそ、他人に信頼を寄せ、仲間になるところから始めなければならない。
それが、人を信じるという共同体感覚へとつながり、ゆくゆくは愛となり、その愛が自分の自立となると。
その自立するということが「幸せになる」ということ。
内容についてはこの辺で。
短いので分かりにくいとは思いますが、本を読み終えれば自立することの難しさが分かるし、幸せになるということの意味を少しは理解できるかもしれません。
自分は何となくだけど腑に落ちた。
面白い本ですので興味のある方は是非読んでみてください!