先日、学習支援のアウトリーチ(訪問相談)に行ってきた。
そこの子どもは不登校で、学校の先生が迎えに来ても、泣きながら「行きたくない。」と訴えていて、ずっと学校を休んでいるそうだ。
学校での人間関係だったり、環境に適することが難しいんだろうな。
自分に向かない学校には行くべきだろうか?
これは個人的な意見ね。
自分はいかなくてもいいと思う。
学校が必要ないってことじゃない。
勉強しなくていいってわけでも、社会的な教育も必要ないと思っているわけじゃない。
でも無理やり連れて行っても本人のためにならないし、もしいじめなどの人間関係に悩んでいるとしたら、本人にとっては拷問に近いくらいの苦い経験にもなりえるからね
それでも行かせるほどの意味はあるのか?
については、よく考えていく必要があると思う。
教育は学校でするもの
日本には、「教育を受ける権利」があり「教育を受けさせる義務」がある。
この規定に基づく教育を「義務教育」と呼ぶらしい。
そのため、保護者は、学齢期の人を小中学校などに通学するように取り計らう義務がある。これを就学義務(就学させる義務)という。これは、ウィキペディアに書いてある。
義務教育には賛否両論あると思うけど、一定期間社会として教育させる期間は必要だとは思っている。
教育というのは、親によって個人差があるし、教育のあり方も各家庭によって違ってくるだろう。特に収入格差によって、塾に行けなかったり、家庭でそれなりの教育ができない家庭にとっては、低額で一律に学ばせてもらえる環境は必要だと感じる。
義務教育がなかったら、教育に参加する機会も得られない子どもたちをたくさん見てきているからね。
就学させなくてはならない。
でも、「就学させなくてはならない。」という義務感が、「学校には行かなくちゃいけない」と行動を促すのではないだろうか?
泣いて嫌がっている子どもでも、なんとか学校に行かせようとする。
まるで強制的につれて行くことがあたり前のように。
だけど「~しなくちゃいけない」というのは、とても生きづらいことなんじゃないかな。
行かなくてはいけない学校。でも行きたくても行けない。
「それは自分が悪いからなんだ。」と自己否定になって苦しんでしまう人も多いと思うんだ。
「〜しなくちゃいけない」生きづらさ。
学校以外のことでも、みんなと同じように普通に生きることを求められる。
でもそのためには、あらゆる「しなくちゃいけない」ことが待っている。
小中高卒業したら、良い大学に行って、良い企業に行きなさい。
就職したら、結婚しなさい。結婚したら、子どもを作りなさい。
出世してお金ためて、老後貯金をしなさい。
親の介護をしなさい。
これらのような大きい項目は、みんな言われることだろうと思う。
その他にも、うちは~だから~の学校に行きなさい。~なりなさい。
結婚式は親戚が多いからこのくらいの規模でね。
料理はこうで、あの人は呼んでね。
長男だから実家をついで、次男だから出なさい。
長女だから、お婿さんね。
もちろん、親戚付き合いもお願いね。
何か頂いたらお返しを。
でもお返し続けてたらエンドレスじゃん…。
こうして、生きていく中で無数に続く task も endless 。
いろいろ人ぞれぞれだと思うけど、「~しなくちゃいけない」というあらゆる思い込みと行動が、生きにくい社会を作る要因になっているのではないかと感じている。
世の中はいろんな人がいるから、どうしてもできなくて苦しむ人も多いと思うんだよね。
どうしてもダメなら逃げちゃおう!
「~しなくちゃいけない。」という無数のことから離れてみる。
そして、「逃げてもいいんだよ。」と自分に伝えてみる。
すると、フッと胸が軽くなる。
そう考えることも大事だと思う。
人生いくら頑張っても変えられないこともある。
そういう時は逃げるしかない。
学校以外でも勉強できる。
学校に行けない。
でも、スタディサプリなどのオンライン学習のようなICT学習ができるようになってきた。もっとこういうサービスは増えるだろうし、これからも学習の方法が大きく変わっていく。
それと自分でいられる居場所としての様々な社会的コミュニティーがあれば、学校へ行かなくちゃいけないという状態を減らし、縛りや焦りも少なくなっていくと思う。
うちが行っている学習支援事業のてらこむでは、学校へ行けない子どもの学習の場として、また行き場のない子どもたちの逃げ場所として、居場所を作っていきたいという想いで事業を運営しています。
学校へ行けない、勉強がしたくてもできない、居場所がないと感じている人たちのための学校とは別の居場所、コミュニティーとして。
そういう場所がどんどん出きれば、既存のレールに乗れない多様な人々が、選択できる教育が生まれてくると思うんだ。
*学校教育に対して批判しているわけではないです。
これからの大人の役割として
子どもたちに勉強や教育を受けさせることは必要だ。
でも既存のレールににのれない子どもたちもたくさんいる。
学校へ行きたくても行けない子どもに「逃げていいんだよ。」と伝えること。
学校から逃げた先の居場所を作ってあげること。
それがこれから子どもに対してできる「大人の役割」だと思ってる。