先日、茨城県の平成29年度工賃向上の研修としてうちの事業所に視察に来てくれました。
8月23日と24日の2日間で、県職員と各事業所の方々が総勢40人くらいの方の参加です。

うちに来た理由として、実は昨年度に工賃向上研修に参加したことがきっかけ。
おんらが村の平均工賃が前年度よりも下がってしまったこと、県から参加するようにとのお達しがあったということで参加することにした。
そこで県の工賃向上アドバイザーに入ってもらい、工賃向上計画を立てて実行。
その結果が良かったということで、視察先に選ばれたということです。
過去記事
B型事業所の工賃は上げないといけない。
これまでの取り組みを見直して、うちも工賃を上げれるようにするという話。
視察では現場を見て頂くことと、昨年のアドバイザー派遣での取組と成果等について報告をするという内容です。

せっかく作ったものなのでその内容を公開していこうと思います。
まず、工賃向上アドバイザーを入れる前に工賃向上研修があった。
研修では、会計について就労支援会計の基礎を学び、粗利益、経費、営業利益等、細かく統計を取り戦略をとっていく必要性があることを知る。
まあ。経営者としてはあたり前だけどね。
それに売り上げの算出についてはシビアに教わった。
作業ごとに収支評価を算出して、どこに無駄がありどこを拡充するのか?
その算出の必要性やその後の動き等を検討して学んだ。
現在どの地点にいてどこまで工賃を目標とするのか?
逆算して事業を見直していく必要がある。
その研修で特に強く感じたのは、工賃を月3,000円以上を上げるための工賃基準の見直しを行う手もあるというところ。
一般の人から見れば愕然とする数字だと思う。(月3,000円以上のところ。)
それでも達成できない事業所も多いのが現実だ。
うちも月に5日とか、毎日来れない人は工賃が少なかったりする。
大体の事業所は収入ベースで月ごとに時給や日給等を計算して工賃を支給していると思う。(全部ではないです。)
そうすると収入が上がらなければもちろん工賃も上がらない。
だけど、工賃が上がらなければ収入もなかなか上がらないという結果になる。
そのため、うちとしては収入ベースではなく、平均工賃の目標値で工賃基準を見直すためにアドバイザーに入ってもらい、工賃規定を改定した。
これは完全な赤字覚悟だ!
改定の中で決めていたことは、来る日数が少なくても月の工賃が3,000円以上になることを前提として、作業評価基準を細かく設定して、その基準に合わせて時給と日給、手当を計算して支給するという内容にした。
評価基準は、遅刻や欠勤、挨拶や体調管理、コミュニケーションや報連相などの基本評価と、各作業分野ごとの作業能力評価をもとに作成。
評価をランクごとに分けて時給を作成して、それに日給と手当を加算して一月の工賃として支給する。
で、実戦の成果はどうだったか?
(平成28年度3月24日の工賃向上研修の発表時の結果)
・これまでの工賃基準 2月分のB型平均工賃 5,741円
・4月からの新基準導入後 4月からB型平均工賃 8,996円 約3,000円UP
目標ベースでの工賃支給のため作業収支は赤字。
ただ工賃を上げるという目標をスタッフを含めて、これまで以上に意識統一を図れたと思う。
そして、新作業の導入や既存の作業の賃金の相談等を積極的に行うようになり、新作業も増えた。収入も半年くらいには改善できるのではないかと予想している。

その後の結果は?
発表してから現在の結果について
・収益を上げやすい軽作業(委託)の改善をさらに行う。
軽作業の現状分析を毎月行う。
・それをもとに週間目標を細かく設定。業務内容も利益の高いものにシフトした。
・その結果、4月から6月までは赤字での運営だったが、7月には収益が改善。
(6万円のプラスになる。)
・B型の平均工賃は、1万年を突破。(10,155円)
1万円を突破したのだ!
めでたしめでたし。と、いくわけはない…。
茨城県の平成27年度B型事業所の平均工賃は、11,810円なり。
うちの現状は、10,155円。差額は、-1,655円。
おしい実に惜しい。
けれどもまだまだ低い。
なので今年度は平均越えして、来年度には18,000円までにはもっていきたい。
B型事業所で収入を上げていくにはあらゆるビジネスに参入していかないといけない。
でも利益を出していくビジネスは、支援が1番の福祉者にはどこか遠い存在なのだ。
その距離感を埋めていくためにも、福祉関係外の集まりにも積極的に参加して、異業種の方々との交流や連携を作っていくことが必要だと考えているので、これからも積極的に出かけます。
皆さんのところにも顔をだすかもしれないのでよろしくお願いします。
