緊急事態宣言を受けてのSMSCの方針と今後の対応について

3月末にみんなの学校いなしき(旧あずま南小学校)の建築工事が終わり、SMSCへ物件の引き渡しがありました。

過去記事

前回コロナショックによる影響により、本来たくさんの方々に利用してもらい、コミュニティ作りの中心として活用してく予定でしたが、4月末まで外部との接触を制限するために学校の利用は控えさせていただく形をとることとしました。

しかし状況はさらに悪化しており、4月7日に安倍晋三首相より緊急事態宣言が発令。
感染が急拡大している東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象で実施期間は7日から5月6日まで、さらなる行動の自粛が求められます。

その発令を受け、茨城県の大井川和彦知事は、県内の感染拡大要注意市町村10市町の外出自粛要請期間を平日昼間も加え、5月6日まで延長すると発表されました。
(10市町はつくば、つくばみらい、守谷、土浦、牛久、龍ケ崎、取手、神栖、古河の9市と阿見町)

SMSCが事業を行なっている稲敷市は、緊急事態宣言の対象となる地域ではありませんが、国、そして県が決定した今回の発表をとても重く捉えております。

しかし、当法人は障害のある方々、そして生活困窮世帯に関係する子どもたちなど、宣言が有る無しに関わらず、日常的な支援が必要な方がほとんどです。また、彼らの住む住居であるグループホームも運営しております。

医療もそうですが福祉も有事の際にこそ必要なのです。

自分たちの置かれている状況、そして利用者さん一人一人の支援が必要な状況を踏まえて、SMSCとしてはコロナウイルスの拡散を最大限注意しながら、サービスをなるべく継続して行なっていくという方針に決定しました。

厚生労働省は、社会福祉施設等が提供する各種サービスは、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、十分な感染防止対策を前提として、利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要である。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00097.html

上記の厚労省の見解もあること、さらに予防、感染防止、その後の対応など、日々厚労省から適切な指示が出ています。

緊急事態宣言前には当法人内の管理者が集まり、コロナウイルス対策検討チームが発足されました。今後の対策を日々検討していく中で、上記の対策を最大限取り入れて、感染防止に取り組んでいるところです。

今後も社会の情勢を踏まえて、対策を修正しながら、より安全なサービス運営に取り組んでいきたいと思います。

関係者の皆様にはご迷惑をおかけするかもしれませんが、今後ともご協力をお願いいたします。


法人方針
コロナウイルスの予防に最大限注意して、利用者様一人一人に行動の自粛を求めつつ、彼らの安定した生活の維持のためにできる限りの支援を行います。

事業所対応
(就労支援事業所)
・送迎時、また来訪時に検温と体調確認を行います。
・手洗い、うがいの徹底とマスク着用をお願いします。
・不要不急の外出、外泊は控えます。
・お客さんの来訪も控えます。
・屋内、屋外問わずイベントへの参加はしません。

(グループホーム)
・利用者の検温と体調確認を毎日行います。
・手洗い、うがいの徹底とマスク着用をお願いします。
・不要不急の外出、外泊は控えます。
・お客さんの来訪も控えます。
・屋内、屋外問わずイベントへの参加はしません。
・夜間の外出もしません。
・コンビニ、商業施設、公共施設の利用を控えます。

(相談支援事業所)
・基本的に電話での相談にて対応します。
・緊急対応・やむを得ない場合には、対象者の体調確認(検温とマスク着用)と“3つの密”を避けた上で面談実施します。

上記の事業所対応については、職員も同じ対応で実施します。

さらに今回、総理の緊急事態宣言を受け、事業所の利用者さんにも再度自粛の要請をさせていただきました。

2020年5月6日までの期間、以下のことにご協力をお願いします。
・不要不急の外出、外泊は控えること。
・お客さんの来訪も控えること。
・屋内、屋外問わずイベントへの参加はしないこと。
・夜間の外出はしないこと。
・コンビニ、商業施設、公共施設の利用を控えること。
・マスク着用して手洗い・うがいを行うこと。

※上記の方針と対応は今後の社会的な情勢によって変更することがあります


地方にとってはお隣さんとのささえあいが大事な時に、人との接触をさける時代になってしまいした。
みんなの学校いなしきの事業モデルとは真逆の時代になっておりますが、いつかはこの時代も人類は乗り越えると信じています。

緊急的な対応と個々の自粛行動も乗り越えつつも、今後のアフターコロナをしっかりと考えていきたいと思います。

より良い時代を願って

オープンキャンパス第2弾終了しました。

2月23日(日)にみんなの学校いなしきオープンキャンパス2ndを無事終了しました。

今回は、当初予定していた学校のオープン予定を遅れてしまっているということ、またその中でも着実に事業は進んでおり、きちんと事業がオープンすることができるということを伝えるために行いました。

オープン予定って10月だったんじゃね?
って思っている方も多いかと思います。当初その予定で考えていましたが、なかなかハードな課題もたくさん出てきためオープンを遅らせることになりました。すいません。

その辺を今回の説明会で理解していただき挽回したいと思います!

受付担当 精神保健福祉士 黒沼 ・ The Boss Baby 蒼士

【日程】
2020.02.23(日)
10:40〜11:00 受付(玄関)
11:00〜11:25 事業説明
11:25〜11:55 校内見学
11:55〜12:00 挨拶

【場所】
みんなの学校いなしき(旧「あずま南小学校」)
茨城県稲敷市曲渕3-1


【FBページより】
昨年の6月にオープンキャンパスを行いました。
前回の説明では昨年中にオープンする予定でしたが、当初計画していたよりも追加工事の必要があったこと、台風15号の影響による被害が大きかったこと、また資金調達が難航したことによりオープンすることが遅れてしまいました。申し訳ありません。
しかし、それらの課題も解決の見込みができまして、3月末に工事をひとまず終了し、4月にオープンする予定となりました。
今回のオープンキャンパスでは、工事途中段階ではありますが、今後の工事予定とオープンまでの流れ、オープニングセレモニーについての説明をします。


開会の挨拶の後、まずは井川建築設計事務所の担当高木さんより今回の工事についての説明を行いました。

これまで行ってきた工事について、用途変更申請や防災工事、アスベストの撤去工事、そしてこれから行われる工事についての説明がありました。

まず、学校用途として使われていた建物を福祉施設として利用する際には、用途変更工事の必要があり、各部屋に排煙窓の設置や防火上主要な間仕切り壁の設置、学校全体の非常災害に対する防災工事を行いました。そして、検査結果にてアスベストが検出された箇所があったのでその撤去工事も行いました。

それらの工事の他に、老朽化の問題など現場に入ってから分かってきた部分も多く、工期が遅れることとなってしまいました。

現在は、それらの課題解決の見込みもたち、トイレやエアコンのなどの設備工事と厨房や食堂部分の工事を中心に行っており、3月末に終了予定であることの説明を行ってくれました。

その後は代表説明。

みんなの学校いなしきで行われる事業の説明です。(前回と若干の変動あり)

学校という施設を使って民間で何を行っていくのか、の説明をしました。
それと、今後の事業の流れと学校のオープニングセレモニーの流れまで。

まず、前回と若干の変更があることとして、学校の3階建部分の使用はスタートからはできないことになりました。

これは予想以上に工事の総予算が上がってしまったこともあり、今回の工事で全体を行ってしまうと、安定して継続した運営が厳しくなることも懸念されることから、西側半分(2階建部分)のみの工事と使用で事業を行い、東側は追加で行なっていくほうがいいと判断したためです。

そのため、当初の学校運営では、西側部分の運営を中心に行っていきたいと思います。

【運営事業】
・障害者就労継続支援B型事業
・障害者就労移行支援事業
・障害者生活介護事業
・障害児放課後等デイサービス
・障害児児童発達支援事業
・生活困窮者世帯の子どもの学習支援事業
・みんなの学食〜南食堂〜(カフェ兼食堂)
・みんなの家庭科

【地域開放】
・体育館
・グランド
・教室

当初の予定より規模感が小さくなってしまいましたが、今後の追加工事にて使用できるようにしてから開放していきたいと思います。
また、今後は高齢者のデイサービスなどの福祉サービスも行っていきます。スタートからはできませんが、とりあえずシニアの方々のサロン活動は早い段階始めていきたいと思います。

そして、みんなの学校いなしきのオープンは4月1日予定。オープニングセレモニーは、運営が落ち着いた5月24日(日)に行う予定です。後ほど関係者の皆様には、招待状を送りさせていただきます。

こんな感じで話させていただきました。

そのあとは学校内見学。

現在工事している箇所を見ていただきながら、今後どのような活動を各部屋にて行なっていくのか説明させていただきました。

みなさん思っていた以上に興味を持ってくださり、いろいろ質問してくださいました。

「体育館を使いたい。」
「ダンスをやりたい。」
「ヨガをやりたい。」
「一緒に花壇作りをやりたい。」
「サロンやりたい。」      などなど。

どれもいいですね〜、大丈夫です。

全部やりましょう!

今回のオープンキャンパスも地域の方を中心に告知しましたが、東3区ではイベントがあったので、ほとんど来れないと話を伺っていましたが、東3区や市内だけじゃなく市外からの参加もたくさんしていただきました。
(想定以上に来てくださったので、運営は大慌てでしたけどね笑)

お忙しい中来てくださり本当にありがとうございます。

今後も地域に愛される学校にしていきたいです。

以上。


最後に

これは説明会後に分かったことです。

コロナウイルスの影響が学校にも来ております。
注文していた一部の設備が届かない可能性があります。

現在、建築関係者の皆様が必死になってかき集めてくれているので、今の所4月1日のオープン予定は可能な形ですが、一部使いにくいところもあるかと思います。
また、当初予定していたオープニングセレモニーの件も状況を見ながら開催するのか等、判断していきたいと思います。

幸せの連鎖を繫いでいきたい

ちょっと前だが嬉しいことがあったので書いていこうと思う。

まず事務方から、
「〇〇さんからお金が振り込まれているけど、何のお金か誰か知ってる?」
と話があった。

「分からない、何で?」

誰も知らない。

それもそのはず、その子はSMSC で仕事の訓練をして、就職したから今はサービスを利用していない。

なんでだろう。
と疑問に思い、相談員が本人に電話をして確認する。

すると、

「これまでパートでしたが、正社員になることができました。そのお礼に寄付しようと思っていました。」

それを聞いたスタッフは嬉しさのあまり目から涙が…

これまでも楽ではない生活してきて、やっとの思いでの就職。それでも生活は厳しいはずなのに、感謝の思いで寄付してくれるとは、なんて純粋な子なんだと自分も感動した。

金額も〇〇万円と本人の生活水準より明らかに多い金額だ。

いらないよって言ったけど、気持ちなんでと受け取ることになった。

その後、きちんと事務所に挨拶にきてくれた。今の自分の生活と兄弟への想いなど語ってくれていた。自分も辛かっただろうに、他を思いやれる気持ちがあるのは彼の強さなんだろうなと思う。

うちらがサポートしたところは後押しだけだ。ほとんどは彼の努力と潜在的な力だと思っている。だから大丈夫。これからもやっていけるだろうから頑張ってな。

それと弟くん。
君も見てるだろうから伝えるよ。
社会は残酷で、生まれた瞬間に、ある程度人生が決まってしまっている部分はあるかもしれない。でも、それを乗り越えて、自分の力で少しでも人生を変えることはできる。
だから、お兄ちゃんを追っかけて頑張りなさい。応援してるよ〜。

さてさて、法人としては小さい金額だけと、彼にとっては大きい金額。
キャッシュフローですぐに飛んでしまうかもだけど、この金額はきっちり胸に刻みます。

さて誰の何にサポートしようか。(幸せの連鎖)

SMSCに寄付してくださる方は下記より寄付できます。
http://www.npo-smsc.jp/join

ごちゃまぜで笑顔になれるお寺

少し前に日テレNEWS24で社会福祉法人佛子園が運営する行善寺の活動が取り上げられていました。
下記がその紹介です。

https://videotopics.yahoo.co.jp/video/news24/297838 (現在リンク切れです)

twitter にも書いたが、ここの活動を生で見て感動して作ろうとしているのがみんなの学校だ。

たびたびブログに書き、今回は映像を載せた意図としては、口で説明してもなかなか伝わらないと感じているからでもある。

行政への説明や住民への説明、またその他の説明の際にも、「高齢者と障害者と児童と地域のみんなが一緒に過ごせる学校を作ります。」と説明しても、そんなことができるのか?障害のある方と一緒に過ごせるの?などなど色々な意見をもらった。

偏見をもっている方もいると思いますが、そうでない方も本当にできるのか、という疑問をもっての質問も多かったんじゃないのかなと思う。

地域の中で町とフクシは切り離され、日常的な関わりを持てていないから想像できないんだと思うけど、これを見てもらえたら少しは理解してもらえるかなと。

自分は視察で生で見て驚いたからね。

映像を見てもらえたらわかる通り、みんながごちゃまぜに過ごせる空間があるんですよね。

できてるところがあるなら、うちにもできる可能性があるんじゃないかと。

佛子園・前多さん「障害である人、そうでない人、高齢者の人、そうでない人、地域とともに元気に暮らせるまちづくりをしていく」

日テレNEWS24日

素敵な言葉。

稲敷でもだれもがごちゃまぜに暮らせるまちづくりをしていきたい!

ケアプランのAI化はケアマネージャーを救えるか

IT、ICT、IOT、AI などなど。

テクノロジー関連の話題はとても多く、ニュースで見ないことがないくらい進歩が進んでいる。

特にAIの進展が進むと、「なくなるかもしれない仕事」と言われるものも多く、はたして自分の仕事は大丈夫だろうか?と不安に思う方も多いんじゃないかな。

自分は最近、特に福祉×テクノロジーに興味があったので、昨年に東京ビックサイトで行われた国際福祉機器展に参加しました。

(で、結局撮っちゃった。)

高齢化が進む中、この産業はますます伸びていくので、各企業さんの力の入れっぷりが凄い。
日々急速に進化していっている感じだ。

特にIT関連、IOTやAIなども機器にどんどん導入されているので、ますます便利になっていくだろうと予測できる。

その中で特に驚いたのが、ケアマネージャーさんのケアプラン作成をAIが行うという技術・サービス。

これは、株式会社シーディーアイ(CDI:ケアデザイン研究所)が開発した「MAIA(マイア)」というケアデザイン人工知能である。

株式会社シーディーアイ https://www.cd-inc.co.jp/
MAIAにできること

MAIAは、利用者様のADLや要介護認定項目などの状態をブラウザで入力すると、サービスの種類や頻度など、組み合わせのプランを最大で3通り提案するAIである。
プランを変更した際の容態予測や、プランを採用した際に1年後の身体機能がどう変化しているか、という将来予測のレーダーチャートを示す機能もある。

このAIを導入すると、ケアマネージャーがケアプラン作成にかける時間を大幅に削減することも可能になるかもしれない。

いろいろ調べてると、なんと茨城県ではもうすでに昨年から試行事業を開始している。早い。

ケアプラン作成AIは、まだまだ発展途上といったところだと思うが、データの量がさらに増えていけばケアプラン作成の精度もどんどん上がる。

今はまだ頼りないプラン立てかもしれないが、エビデンスに基づいたプラン作成することができるようになるのも近い未来かもしれない。

その次は、障害者支援の分野での相談支援専門員、計画相談にも実装されるようになる。

AIが進展してもなくなりにくい仕事とされていたケアマネージャーの仕事。

案外、テクノロジーに代わられる日は近いのではないかな。

ただ、今回書きたかったのはケアマネージャーの仕事が奪われますよ。
ということではない。

これからさらに深刻になる労働人口の減少と高齢化の問題。
さらに介護などの福祉分野の人材不足。

自分が抱えている相談支援の件数、また周りの人が抱えている相談支援の件数を考えてみればわかると思う。

ケアマネージャー1人が抱えている相談件数、人数が多すぎるのではないだろうか。

そのため、相談支援やプラン作成・フォローアップ等が疎かになってはいないだろうか?

膨大な書類やケアプラン作成など、AIやテクノロジーに任せられる部分は任せて、利用者さんとの関わりや相談、その他直接支援にかけるべき時間を増やすことが大切だと思うんだよね。

テクノロジーと支援の共存。

AIなどのテクノロジーは、介護や支援業務の効率化に大きく貢献していくと思う。

今後ますます介護等福祉ニーズは高まっていく中で、日本の労働人口は急速に増えることがないのだから、外国人労働者の雇入れを進めていくことはもちろんのこと、AIやIOT、ICTなどなど、テクノロジーを取り入れて支援の質を担保することが、これから取らなくてはいけない福祉の戦略だと思う。

忙しすぎて「もう無理!」ってなってしまう前に、これからはAIなどの技術も利用して、適正な支援を維持していこうぜ!って話でした。